(´・ω・`)まったりいこうぜ

まったりのんびり、色々と書いています。 http://www5.synapse.ne.jp/souki/

魔法の呪文のお話

 まずはこれでもどうぞ。

 Twitterでは何度か話に出しているのですが「スイヘイリーベ 〜魔法の呪文〜」という歌で、教育テレビ(今のEテレ)で放送していたエレメントハンターのED曲でした。このアニメ好きだったんですけど、知名度が低いみたいです(´・ω・`)
 タイトルから分かる人も多いと思うのですが、これは元素記号の歌です。高校で化学を専攻した人なら分かると思いますが、周期表元素記号はまず最初に覚えることです。これで一学期の中間試験に苦労とした人も多いと思います。ちなみに通常であれば大体20番元素までと代表的な元素(金・銀・銅とかですね)を覚えるのですが、この歌の場合ランタノイドとかアクチノイドまで続いています。どこかは周期表を見てくださいw

 なぜこの話を出したかというと、今日の昼ぐらいのことです。ミューエフエムで流れたそうで。聞き逃したー!聞いた人によると『「クラークか」の「か」って何なんですかね?』という話になったとかで(伝聞なので間違っていたらすみません)。なるほど、歌詞だけみると分からないんですよね(´・ω・`)
 これで気になったのはエレメントハンター以上に化学の知名度って思った以上に低いみたいですね。ちなみに「クラークか」は『Cl Ar K Ca』となり、かはカルシウムです。みんなの体を支えている骨ですね。



 さて、化学の話に戻りますがよく聞くのが『日常に密着していないから必要に感じない』という話ですね。たぶん見えていないだけだと思いますのでちょこっとだけ拾ってみます。現役教師とかではないので話の内容には期待しないでくださいw

料理のさしすせそ
 砂糖、塩、酢、醤油、味噌の順に入れるというものですね。料理の基本と言われています。
 砂糖を最初に入れるのは味がしみこみにくいからですが、これは砂糖の主成分であるスクロース(C12-H22-O11)の分子が大きいからです。塩は言わずと知れた塩化カルシウム(NaCl)ですか数字だけ見ても段違いだと分かると思います(´・ω・`)

 塩の項目では浸透圧という話が出て来ました。濃度が濃いものと薄いものを半透膜(セロハンとかですね)で隣接させると薄いものから濃いものに移動するように力が働くというものです(※正確には違いますが、長くなるのでw)。どういうことかというと、塩を出汁に入れておくと野菜より濃度が高くなります。比較的薄い野菜から水分が出てくるので後半に入れると味が薄くなってしまいます。下ごしらえの時、野菜や肉に塩を振って放置しておくと水分が抜けるのはこれを利用しています(´・ω・`)ノ

 なにげなく料理で使っている方法ですが、実は経験とともに化学の裏付けというものがあります。酢は酢酸と言われCH3-COOHという分子式で表されますし、醤油や味噌などは発酵による化学変化ですからね。化学なんて役に立たないとか縁遠いと思っていたかもしれませんが、結構身近なんですよ。

 え、料理をしない?(´・ω・`)うーん、だったら携帯電話とか見てみましょうか。

電池
 どこのご家庭にもある電池です。電池と言ったら思い浮かぶのは乾電池だと思います。乾電池にはいくつか種類がありますが、マンガン電池とアルカリ電池が主でしょうか。

 マンガン周期表にも出てきますね。マンガン電池に使われるマンガンマンガン単体ではなく二酸化マンガンという形にしてプラスに使い、マイナスは亜鉛を使っています。亜鉛周期表に出て来ますね。
 アルカリ電池は正確には「アルカリマンガン電池」と言います。やっぱりマンガンが登場します。マイナスも亜鉛です。アルカリとつく理由は内部の電解液と言われる部分に水酸化カリウム(KOH)が使われています。

 難しいことを言っているように見えますが、10円玉と1円玉で電池ができる(これはやったらだめです。硬貨が変性するので貨幣損傷等取締法の対象になったりします)とか、レモンに金属板を挿すと電気が流れるとかそれから効率化を進めたのが乾電池ですこれらは液体ですから持ち運びに不便だったので改良したというわけです(´・ω・`)

 今はそれよりもエコという観点からも充電池を使うことが多いと思います。以前よく見ていたのは車のバッテリーですね。これは鉛蓄電池と言います。これの面白いところはプラスとマイナスどちらも鉛が基本となっている点です。上の乾電池は違うものでしたよね?)。
 プラスが二酸化鉛(PbO2)、マイナスが鉛(Pb)、電解液に希硫酸(H2-SO4)を使っています。大ざっぱに言うと、放電するとどちらの極も硫化鉛(Pb-So4)となります。同じ物質になってしまうと使えなくなりますが、鉛蓄電池の特徴は「充電するとこれと逆の反応が起きる」ということです。
 よく「バッテリーが上がる」と言われますが、あれはバッテリーを放電し続けて力尽きた状態になったと言えます。そして別の車からケーブルを繋いで暫くすると動くようになったと思います。これが充電です。通常は走行時にバッテリーを充電することで長持ちさせているので走らずにバッテリーだけ使うとこうなってしまうわけです(´・ω・`)

 携帯電話に使われているバッテリーはリチウムイオン電池と言われるものです。リチウムも周期表に出ていますね。スイヘイリーベの「リ」がリチウムです。バッテリーを見ると「Li-ion」と書いてあるかと思います。
 こちらはマイナスが炭素(C)、プラスと電解液にリチウムの化合物を使ったりしています。結構色々な組み合わせがあるらしいので割愛しますが、リチウムが中心を果たしています。携帯電話だけではなくノートパソコンのバッテリーもこのタイプです。結構リチウムに囲まれる生活をしています(´ω`)



 ざっと話をしてみましたが……後半はちょっと話が長く、難しくなってしまいましたね。ちょっと反省です(´・ω・`)しかしながら身近でないと言われている化学ですが、なんてことはなく身近にいて生活を支えています。

 最後に最近よくニュースなどで出てくるセシウムの話でも。元素記号を調べたことはあるでしょうか。Csと言い第55番元素です。周期表を見ると分かりますが、セシウムはリチウム、ナトリウム、カリウムと同じ族(縦の並び)に位置します。水に入れると反応したりと似た性質を持っています。だからと言ってそれじゃリチウムとかも恐いかとなればそうとは限りません。基本的な性質が似ているだけですから、完全に一致しているわけではありません。
 そしてセシウムは悪いものかと言われればそうと断言はできません。今皆さんが使っている時計、その一秒の基準となっているのはセシウムの発光です(セシウム133の発光スペクトルです。気になる人は調べてみてください)。そして今騒がれているのはセシウム135という同位体です。

(※後に付く数字は陽子数と中性子数を足したものです。陽子は元素固有で元素番号と一緒です。セシウムの場合は55で固定されます。したがって同位体中性子の数が変わったものです。たったそれだけと言われそうですが、ちょっと違うだけで個性は随分と変わります。133は安定していますが、135は放射性物質半減期が230万年になります。他の同位体の場合は数秒から数分だったりします)

 化学は身近なものです。
 ちょっと調べるだけでも身近なものになっていくんじゃないかなと思ったりします。学校現場でできたら良いのでしょうか、それが叶わないのが現状だったりします。それに人生で考えれば学校に行っている時間の方が短いですからね。
 たまには周期表を見て、上の歌を聴いて、聞いたことが無い名前だなぁと思ったりしたら調べてみるとは良いんじゃないでしょうか。
 今のところ103番元素まであるんですから暇つぶしにはもってこいですよ。そして利用されているところを読んだらなんか違って見える世界なんかあるんじゃないかなーと思います。

 スイヘイリーベって覚えるだけじゃつまんないですよ。化学はもっと楽しいもんで、楽しめるもんだと思ってます(´ω`)