以前車載動画の作り方について、簡単にブロマガにまとめました。
あれから少し時間が経ったので、今の作り方について簡単にまとめてみようかと思います。
4年ほど前ですが、基本的な部分は変わっていません。
基本的なスタンス
4年前から一番変わらない部分です。
車載動画で一番大きな目的は「鹿児島の面白いところ、良いところの紹介」です。
具体的には「行ってみたい」「食べてみたい」という動画を作る。
この目的は投稿している間、ずーっと変わっていません。
具体的な目標を達成するために、動画では大きく4つの点に気を付けています。
- 時事ネタは入れない
時事ネタを入れることは簡単ですが、意図的に入れていません。
「鹿児島に行ってみたい」と思ってもらうことが目的で作っているので、過去の動画を見るケースもあると思っています。
時事ネタは投稿直後には面白いのですが、時間が経つとノイズにしかならないと思って入れないようにしています。
例外として、時期に乗った車載動画を作る場合は「そんな時期だったなぁ」という情報も重要なので入れています(けものフレンズの流行に乗って動物園に行った時など)。 - ネガティブな言い方はしない・言い換えをする
美味しくない、面白くないと思った時には紹介しない方針です。
「行ってみたい」「食べてみたい」に繋がらないからです。美味しくないと言ったところには行かないでしょう。
正直なレビューは大事だと思いますが、傷つけないように言える自信と語彙力が自分にはありません。あとはそういう意見を見て自分が楽しくないということもあります。
一方で、景色が悪い時などはどうしてもネガティブに言わないといけないことがあります。その際には「別の場所からだと綺麗に見える」「天気が良かったら綺麗なんでしょうね」という紹介をしています。 - 動画で紹介する場所は基本的には2か所ぐらい
少ない方が検索しやすいですし、タイトルもつけやすいですからね。動画の一覧を見てサムネイルとタイトルで分かることは大事かなと。
こうして細かく分割するメリットですが、作る側としては要点をまとめやすくできます。見る側としては一つの動画を見た後に一つの場所を覚えているだけで良いことがあります。動画を見ながら行きたい場所をメモするって大変ですからね。 - 見ている人が疲れないようにする
見ていて疲れると「また見よう」と思わなくなり、鹿児島を知ってもらう機会が減るので、できるだけ負担がかからないようにしたいなと工夫をしているつもりです。動画の時間を短くしている理由でもあります。
この辺りは編集の説明で具体的なことは書こうと思います。
大きな目標のために、どうすれば良いのか、と少しずつ細かく考えていくようにしています。
使っている機材やソフト
以前とあまり変わっていません。
- D5600
デジカメです。D5000から買い換えました。ありがとう、給付金。
ダブルズームキットを買い、メインは付属の2本。あとは以前から使っている単焦点レンズを使っています。
D5000と比べ、カメラ本体の性能も上がりましたし、何よりもレンズのAF(オートフォーカス)が早くなったことで、撮影しやすくなりました。 - OSMO Action
アクションカムです。WG-M1から買い換えました。
GoProを使っている人が多かったので、天邪鬼の自分はこっちを買いました。
というのは半分冗談で、熱暴走しにくいというレビューで購入を決めました。特に鹿児島は夏か日差しが強いですし、長時間撮影することが多いので重要でした。 - Vegas Pro
動画編集ソフトです。
車載動画はこれでずーっと編集しています。ほとんどの人がAviUtilなどを使っている中、有償の、しかも日本語のテキストがない状態で作るのもどうかと言われそうですが……。
レンダリングで画像が乱れたりはありますが、全体的に動きが軽快で、レンダリングが早いので(自分の場合は演出が少ないので、5分程度で終了する)使っています。 - CeVIO CS7
合成音声ソフトです。
主にすずみつづみを愛でるために絶対不可欠です。
あとは細々としたものを使っていますが、基本的には以上の4つが主です。
大まかな流れ
これも4年前からあまり変わっていません。過程は大きく分けると以下の通りです。
太字になっている部分は「最低限すること」、小番号は「余裕があったらする」ことです。
- 走った後にざっくりとプロット作成。
- 写真と動画の選定。
- 写真の現像。
- 素材を並べて、トリミング。
- セリフの作成。
- 音声データの作成。
- 動画編集ソフトにテキストデータと音声データを挿入。
- 尺の調整
- 動画のトリミングし直し。
- セリフの追加と削除。
- BGMを入れる。
- 立ち絵入れる。
- アニメーションアイコンを入れる。
- 調整レイヤーで明るさなどの調整をする。
- 内容の確認。
- レンダリング。
- 投稿。
人によりますが、自分は最初に全体の流れをある程度決めて、それからセリフをまとめて作るスタイルです。
起承転結というほどしっかりしていませんが、大筋がある方が話を作りやすいので。
最低限することを決めている理由
余談ですが、動画を作る際には「これだけは必要」という最低ラインを決めています。
自分の動画では「動画・写真・字幕・BGM」が最低ラインです。最低ラインを決めると「余裕がないな」と思った時には、最低ラインだけ作れば良いので「できなかった」という落ち込みがなくなります(個人的にはここが大事ー)。
そして新しいことにチャレンジする場合には、いつもしていることから何かを引く、または最低ラインに追加するようにしています。
最近だと、CeVIO AI 小春六花を使って車載動画がこの方法に当たります。「最低ライン+新しいキャラの音声」「いつもの車載動画-立ち絵」です。
立ち絵を入れる時間を、CeVIO AIを触る時間や、立ち絵を作ったり、キャラをどうしようかという時間にも使いました。
アニメーションアイコンを使うようにしてからは、左上の地図をなくしました。画面の圧迫感がありましたし、どうにか作業時間の短縮をして両立できないか考えましたが、難しかったためアイコンの方をとりました。
動画を作ると、新しいことにどんどん挑戦したくなりますが、作業量が加速度的に増えて疲れるんですよね。編集技術を重ねていくよりも、編集の幅を広げる方が自分には合っているかなと思っています。
編集関係の要点とか
全てを細かく話していくと長くなるので、要点だけ説明します。ざっくりと。
- プロット作り
手書きでぱぱっと描くことが多いです。
以前はタブレットを使っていましたが、最近は百均のノートにぱぱっと描いて、それを画像で取り込むことが増えました(アナログがやはりお手軽です)。
走っているときに感じたことをできる限り思い出して書くようにしています。感情的な部分はすぐに忘れてしまうのと、編集をすると編集が優先されてしまうため、できるだけ早めに記録しています。
見て分かる通り、結構ざっくりです。
青色は写真や動画の選定をしているときに「こうしよう」と追記した部分です。演出的なメモですね。 - 写真と動画の選定とトリミング
走行シーンは「いい景色だなー」と思ったところなどを全部入れておきます。
「あとで入れる」よりも「入れたものを削る」方が編集が楽なので。最初は15分程度ありますが、最終的には8分ぐらいになります。
シーンを減らす流れは、「いい景色だなー」から「ここは見せたいな」と思うシーンを残すようにします。そうすると「あのシーンを見せたいから、こっちは使わないでいいか」とシーンが少しずつ減ります。
あとは後述になりますが、セリフの長さに合わせて微調整をすると半分ぐらいになります。 - セリフの作成
自分が動画を作る中で一番時間がかかる作業です。
凝った演出を極力入れないようにしている自分のスタイルでは、一番力を入れるべきところだと思っています。また言い回し一つで意味合いや受け取り方が変わるので、少し気を使います。
後述のCeVIOでの発音がどうしてもおかしくなる場合はセリフを変更します。ちょっとしたことですが、発音に違和感があると見ているときにひっかかってしまうので。「見ている人が疲れないようにする」という部分の具体的なものの一つです。 - 音声データの作成・修正
今はCeVIO CS7が主です。余談ですが先日初めてCeVIO AI(小春六花)を使いました。流暢で驚きました。つづみちゃんのAI版も楽しみです。
この5年ぐらい、ほぼ毎週のように使っているので、発音の癖も少しずつ分かってきました。セリフができてしまえば1時間程度で音声が完成します。
セリフの発音に違和感がある場合には悪戦苦闘しますが、最終的にはセリフを変えることもあります。少し手間ではありますが、見るときに違和感が少しでもなくなるならば、する価値はあると思っています。
このときに、どうしても発音がおかしいところが修正できないときがあります。そうしたときには、諦めてセリフを作り直します。
音声はセリフごとにWAVファイルで出力しますが、その際にフォルダとファイル名は以下のようにカスタムしています。出力は出力日、ファイル名は「連番-セリフの冒頭-キャラクター名」と変えています。単一キャラクターしか使わないとキャラクター名は優先度が低いので。 - 動画編集
また動画編集ソフトに戻り、作業をします。- テキストのインポート
Vegas Proは18からテキストデータをインポートできるようになりました(以前はテキストからコピペして作っていたので、かなり省力化できるようになりました)。
インポートする際に、テキストののスタイルが選択できるので、事前に書体やサイズ、色を決めたテンプレートを作っておきます。あとシャドーやブラーはインポートしたあとにレイヤーに適用させます。 - 音声データのインポート
Vegasにドラッグ&ドロップするだけです。 - テキストの長さを調整
テキストは長さが5秒固定になっているので音声に合わせて長さを変えます。地味にめんどくさく、ミスが多い作業なのでどうにかしたいのです。 - テキストと音声の移動
インポートした状態では、テキストが前詰めになっています。そこで、セリフを動画の該当する場所まで移動させます。この作業もちまちまとしています。 - 間延びしている部分の調整
セリフを移動させていると、セリフがないシーンや、セリフが入り切らないシーンが出てきます。放置しても良いのですが、見ていて違和感があるときには調整をします。
解決方法として、以下の4つをしています。- 顔の横に小さなセリフを入れる。
音声を作らないで良いので楽です。特に重要ではない場合はこちらを選択します。 - 動画の尺をいじる。
セリフが入らない時には動画の尺を少し長くします。長い時には尺を短くします。 - セリフを削る。
余談だなと思った時にはセリフを消します。結構削ることが多いです。 - 音声を作って、セリフを作る。
上とは逆にセリフを追加します。作ったセリフを作り直すこともあります。
尺の調整よりも、説明が足りないなぁと思うときに追加する方が多いです。
- 顔の横に小さなセリフを入れる。
- テキストのインポート
- BGMを入れる
毎回同じBGMを使っています。
のんびりとした感じで、ループができる。という条件で見つけたのが「森の踊り」でした。
気づけば「親の声より聞いたBGM」「固有結界」とか言われるようになっていますが……。 - 立ち絵を入れる
立ち絵は自作です。
表情差分を自分が使いたいものを使いたいこともあり、自分で描きました。結果として差分が多くなって自分の首を絞めていますが。
立ち絵は基本が2レイヤーです。そこにアニメーションアイコン、暗くするための調整レイヤーを追加することがあります。- 基本の2レイヤー
立ち絵の位置やシャドーといったよく使う設定はテンプレートとして保存しています。
上のレイヤーに表情の差分(口を開いたり、目線が移動したりするもの)、下のレイヤーに、上の立ち絵の隙間を埋めるように標準の立ち絵を入れます。
もう少し簡単な方法があるのでしょうが、セリフと立ち絵を一致させる手間を考えると、この方法が今のところ一番楽でした。 - アイコンアニメーション
便利すぎて多用してしまいます。
画像のサイズが異なるため、サイズや場所の移動はレイヤーではなく、画像ごとにしています(ピクチャ・イン・ピクチャで、場所とサイズをテンプレートに追加し、微調整して使っています)。 - 調整レイヤー
夜になったり、陰に入った時に明度を下げることがあります。
この編集があったりなかったりするのは、自分に余裕があるかないか次第です。
- 基本の2レイヤー
- 内容の確認
実は一番苦手です(確認作業が仕事でも一番苦手です)。
どうにか頑張って確認をするのですが、レンダリングをした後にミスが見つかる現象が多発します。どうして。
- 投稿
これでひと段落です。お疲れさまでした。
その他
Q.動画編集で大変なことは
A.全部です。
大変なことしかないというか、大変なことばかりと言いますか。
作業の中で一番大変なことは、セリフ作りですね。これで動画や行った先の印象が変わると考えると、プレッシャーが大きいです。
Q.週一投稿大変じゃないですか
A.大変です。
でも止めると、二度と再開できないんじゃないかなぁという不安の方が大きいです。
頑張って週に一度投稿するスタイルではなく、頑張らないでも週に一度は投稿できるスタイルを目指した結果が「最低限の部分だけしっかりして余裕があれば追加する」というベースになっているんだと思います。
凝った動画を作ることは諦めたわけではありませんが、今のところは「鹿児島には面白いところがあるよー」の紹介を優先したいなと思っているので。
諦めずに色々と試して、スキルを身に着けていきたいです。